コーヒー、いつ飲んでいますか?飲む時間帯が健康寿命を左右するかもしれません

毎日の生活に欠かせない「コーヒー」。

その健康効果についてはさまざまな研究が行われてきましたが、実は「飲むタイミング」によっても影響が異なることが、最新の研究で分かってきました。

今回は、2025年に発表されたアメリカの大規模研究をもとに、健康とコーヒーの関係を解説します。


コーヒーは健康に良い?以前の研究から

まず前提として、コーヒーは「体に悪い」と思われがちですが、実は適量であれば健康に良い影響があるとする研究が数多くあります。

例えば、2017年にBMJ誌に掲載されたレビュー研究では、1日3〜4杯程度のコーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて全体の死亡率や心血管疾患、がん、糖尿病などのリスクが低くなると報告されています(BMJ. 2017;359:j5024)。

つまり、適度なコーヒー習慣はむしろ“健康の味方”といえるのです。


最新研究:飲む「時間帯」がカギになる?

今回注目するのは、2025年に『European Heart Journal』に掲載された研究(PMID: 39776171)です。この研究では、米国の成人40,725人を対象に、コーヒーを飲む時間帯と死亡率との関係を約10年間にわたり追跡しました。

調査では以下のパターンに注目

  • 朝型コーヒー習慣(午前4時〜11時59分)
  • 終日型コーヒー習慣(朝〜夜まで)
  • 非摂取者(コーヒーを飲まない)

結果

  • 朝だけコーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて全死亡率が16%、心血管疾患による死亡率が31%低いことが分かりました。
  • 一方で、一日中コーヒーを飲む人では、これほどの明確なリスク低下は見られませんでした。

なぜ「朝の一杯」が体にいいのか?

この研究では、明確な因果関係までは証明されていないものの、以下のような理由が考えられています。

  • 体内時計(サーカディアンリズム)との親和性
    朝は体が「活動モード」に入る時間帯。コーヒーによる覚醒作用はこのリズムと合致しやすく、代謝や血管機能に良い影響を与える可能性があります。
  • 夜のカフェイン摂取は睡眠の質を低下させる
    寝つきが悪くなったり、深い眠りが妨げられることが知られており、結果として心身の健康に悪影響を及ぼすことも。

あすなろ薬局からのアドバイス

健康的にコーヒーを楽しむためのポイントを、以下にまとめました。

■ 朝の一杯を習慣に

午前中にコーヒーを飲むことで、カフェインの効果を上手に取り入れ、健康リスクの軽減につながる可能性があります。

■ 飲み過ぎには注意

1日3〜4杯程度が推奨される目安です。カフェインに敏感な方や心臓疾患のある方は、少量から始めましょう。

■ 睡眠とのバランスも大切

午後3時以降はコーヒーを控えると、睡眠の質を保ちやすくなります。

■ ノンカフェインコーヒーも選択肢に

カフェインの影響が心配な方には、カフェインレスコーヒーを取り入れるのもおすすめです。


まとめ

  • 適度なコーヒー摂取(1日3〜4杯)は、健康リスクの低減に役立つとする研究がすでに存在しています(BMJ, 2017年)。
  • 最新の研究では、「朝に飲む」ことが、より強い健康効果と関連していることが報告されました(EHJ, 2025年)。
  • コーヒーは、飲む量だけでなく「いつ飲むか」も意識することで、より健康的に楽しむことができます。

私もコーヒーが大好きで1日3~4杯飲んでいます。夜に飲むと睡眠に影響が出るとなんとなく実感がありましたが、16時、17時くらいに飲むこともしばしば。

これからは時間も気にして楽しみたいと思います!みなさんもぜひ参考にしてみてください。


参考文献

  • Poole R, et al. Coffee consumption and health: umbrella review. BMJ. 2017;359:j5024. doi:10.1136/bmj.j5024
  • Xu L, et al. Coffee drinking timing and mortality in US adults. Eur Heart J. 2025. PMID: 39776171.

投稿者プロフィール

nobuhiro nagao
nobuhiro nagao
2015年~ 県立広島病院で勤務、主に外来のがん治療を行う患者さまの抗がん剤注射剤の調製、お薬の服薬指導、私生活のサポートを行う。
2019年~ 県立安芸津病院へ転勤 栄養サポートチーム(NST)に所属し栄養管理や整形外科での人工関節手術後のサポートを行う。
2021年~ あすなろ薬局で勤務
2023年~ 臨床栄養医学指導士を取得し、薬に加えて栄養指導も行っている。

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