熱中症対策に最適な飲み物とは?水や麦茶、経口補水液を比較!

暑い季節になると、「どれを飲めばしっかり水分補給できる?」と迷っていませんか?

普段飲む水やお茶のほか、スポーツ飲料・経口補水液・お酒まで、その効果やおすすめのシーンはさまざまです。

本記事では「成分の違い」「使い分けポイント」「注意点」を明確に整理。
誰でもすぐに実践できる選び方を、身近な例を交えながらわかりやすくご紹介します。


1. 基本ドリンクの比較

1-1.

  • 成分:99%以上が水分。ミネラルは含まれるが極めて少量。
  • メリット:日常のメイン。カロリーゼロで過剰摂取の心配なし。
  • デメリット:汗をかいた後や大量飲水時に電解質不足になりやすい

1-2. 緑茶・麦茶・ウーロン茶

  • 共通点:カフェインの有無と量に差あり。
    • 緑茶・ウーロン茶:カフェインあり、若干の利尿作用。
    • 麦茶:ノンカフェインでやさしい。
  • 水分補給効果:コーヒーや紅茶と同等に「水」とほぼ同じ水分補給効果があると示唆。
  • 使い分けポイント
    • 日常的に飲むなら緑茶やウーロン茶でもOK。
    • 就寝前・子ども・妊婦さんには麦茶がベスト。

1-3. スポーツ飲料

  • 成分:ナトリウム・カリウムなど電解質 + 4~6%の炭水化物(糖)。
  • メリット
    • 発汗で失われた電解質を補給。
    • トレーニングや長時間の活動に効果的。
  • デメリット
    • 糖分・カロリーが高く、頻用は肥満や虫歯のリスク。
    • 日常的な軽い運動には必要なし。

1-4. 経口補水液(ORS)

  • 成分:WHO基準に近いナトリウム・カリウム + 少量の糖(1–3%)。
  • メリット
    • 吸収が早く、重い発汗や下痢・嘔吐時に最適。
    • スポーツ飲料より電解質高い&糖控えめ。
  • デメリット:味がやや塩辛く、日常的に飲むにはクセがある。

1-5. お酒(ビールなど)

  • 成分:アルコール + 水分 + 少量の糖分・ミネラル。
  • 特徴
    • 利尿作用があり、飲んだ分以上に水分を排出。
    • 脱水リスクが高く、熱中症対策にはまったく向かない。

2. なぜミネラル補給が大切なの?

熱中症対策でよく「ミネラルが大事」と言われますが、なぜなのでしょうか?

実は、私たちの体は汗とともに水分だけでなく「ナトリウム(塩分)」や「カリウム」などの重要なミネラルも失っているのです。

ミネラル=体の電気信号を保つ“調整役”

  • ナトリウム:水分を体内にとどめ、神経や筋肉の働きをサポート。
  • カリウム:細胞の内側でバランスを取り、心臓や筋肉の機能を正常に保つ。
  • マグネシウムやカルシウム:筋肉の収縮、血圧の維持に関与。

これらが足りなくなると、

  • 頭痛
  • 倦怠感
  • けいれん
  • 血圧低下 などの症状が起こり、重症になると意識障害に至ることも。

汗=水+ミネラルの損失

特に炎天下での作業や運動時は、大量の汗とともにミネラルも流れ出ます。水だけを補給しても、体内のナトリウム濃度が下がり「低ナトリウム血症」を起こすリスクがあります。

このため、

  • スポーツ時はスポーツ飲料
  • 体調不良や激しい脱水時は経口補水液 を選ぶことが非常に重要になります。

3. 状況別の選び方ガイド

シーンおすすめドリンク理由
日常の水分補給水、麦茶(緑茶・ウーロン茶)カロリー・糖ゼロ、飲みやすい
トレーニング・猛暑スポーツ飲料発汗で失われる電解質と糖を補える
体調不良(下痢・嘔吐)経口補水液(ORS)失った水分と塩分を効率的に補給できる
夜間や子ども麦茶カフェインなしで安心
お酒飲んだ後水 + 電解質補給脱水・利尿作用を補うため十分に水分を摂る

4. ポイントと注意点

✅ 電解質補給は目的に合わせて

  • スポーツや発汗が多い場合は、適切な量のNa⁺、K⁺を含むスポーツ飲料やORSが重要。
  • 普段の生活なら、水やお茶で十分。

✅ 糖質・カロリーの摂りすぎに注意

  • スポーツ飲料は砂糖が多く含まれ、肥満や歯の健康にも影響。
  • 経口補水液は糖分が控えめで、体重増加のリスクが少ない。

✅ カフェイン・アルコールの影響

  • 緑茶・ウーロン茶のカフェインは利尿作用あり、就寝前・子どもには麦茶を。
  • お酒は脱水を促進し、熱中症対策には不適。

5. 実践アドバイス

  1. 日中の基本は「水 or 麦茶」でOK。軽く口が渇いたと感じたら飲む習慣を。
  2. 運動や屋外作業の時は、10分おきにスポーツ飲料500 mL前後を少しずつ補給。
  3. 急な脱水症状(発汗・下痢・嘔吐)の時は、まず経口補水液を使いましょう。
  4. 就寝前や夜のリズムを整えたい時はノンカフェインの麦茶が安心。
  5. 飲酒後は水を多めに摂り、翌日のストレスを軽減しましょう。

6. まとめ

  • 水・お茶類:日常の水分補給に◎。麦茶はオールラウンド。
  • スポーツ飲料:運動・発汗時に効果大。ただし糖分には注意。
  • 経口補水液:脱水が激しい時に最適。吸収スピードが魅力。
  • お酒:脱水を招くため、くれぐれも「水分補給+適量」で。

自分や家族のライフスタイルや体調に合わせて、賢くドリンクを選べば、熱中症対策もばっちりです!

投稿者プロフィール

nobuhiro nagao
nobuhiro nagao
2015年~ 県立広島病院で勤務、主に外来のがん治療を行う患者さまの抗がん剤注射剤の調製、お薬の服薬指導、私生活のサポートを行う。
2019年~ 県立安芸津病院へ転勤 栄養サポートチーム(NST)に所属し栄養管理や整形外科での人工関節手術後のサポートを行う。
2021年~ あすなろ薬局で勤務
2023年~ 臨床栄養医学指導士を取得し、薬に加えて栄養指導も行っている。

Follow me!