リビング掃除編|ホコリ・手垢・皮脂汚れを効率よく落とす洗剤の選び方

「気づくとテーブルがベタベタ」
「テレビの画面に手垢やホコリが…」

そんなお悩み、ありませんか?
リビングの汚れは目立ちにくい分、気づいたときには広範囲に広がっていることも。

実はその多くが“皮脂汚れ”や“ホコリ+湿気”の組み合わせで、中性洗剤を中心にやさしく掃除するのがポイントです。

この記事では、リビングの汚れの性質と、それに適した洗剤の選び方・使い方を薬剤師の視点からわかりやすくご紹介します。


リビングの汚れは見えにくいが厄介

リビングは、家族全員が長時間過ごす空間。気づかないうちにさまざまな汚れが蓄積されています。

まずは、リビングでよく見られる汚れの種類と、それがどこに発生しやすいかを整理してみましょう。

主な汚れの正体は「皮脂」「ホコリ」「手垢」

リビングでよく見られる汚れには、次のようなものがあります。

  • 皮脂汚れ:ソファの肘掛け、クッション、リモコン、スイッチ周りなどに付着。ベタつきの原因になります。
  • 手垢:ドアノブ、リモコン、スマホ、テーブル、家電のボタンなど、頻繁に手が触れる場所に残りやすい汚れ。
  • ホコリ+湿気汚れ:テレビや棚の上、壁の隅、エアコン周辺など。静電気と結びついて取りにくくなります。

特に「皮脂+ホコリ」は時間とともに酸化して、黒ずみや臭いの原因になることも。

汚れを放置するとどうなる?

リビングの汚れは、放っておくと以下のような影響を及ぼすことがあります。

  • 皮脂が酸化して黄ばみや黒ずみになり、素材に染み込む
  • 雑菌やカビの温床になり、アレルゲンや臭いの原因に
  • 革製品や木製家具、家電などの劣化を早める

目立たないからと軽視せず、「軽いうちに落とす」ことが大切です。


汚れに合った洗剤の選び方

リビングは、掃除する場所の素材もさまざま。洗剤の“強さ”よりも“やさしさ”が求められる場所です。

ここでは素材を傷めずに、確実に汚れを落とす洗剤を紹介します。

皮脂・手垢には中性洗剤が基本

最もおすすめなのが中性洗剤です。皮脂や手垢を落としつつ、家具や家電への影響も最小限に抑えられます。

  • 使い方:中性洗剤を水で2〜3倍に薄め、柔らかい布に含ませて拭く
  • 使用場所:テーブル、リモコン、スイッチ、ドアノブなど
  • ポイント:拭いた後は乾いた布で水分を拭き取り、素材の劣化を防止

台所用洗剤(中性)を薄めて使うのもOK。掃除後の拭き取りを丁寧に行いましょう。

静電気でついたホコリには除電スプレーや乾拭き

テレビ画面やスピーカー、パソコンのモニターなどは、静電気によりホコリが吸着しやすくなっています。

  • おすすめ掃除法:乾いたマイクロファイバークロスでやさしく拭く
  • 除電スプレー:掃除後に軽くスプレーしておくと、ホコリの再付着を予防
  • 注意点:必ず電源を切り、布が湿っていないことを確認する

ホコリ対策には「静電気を抑えること」がポイントです。

ナチュラルクリーニング派には重曹・アルカリ電解水も◎

ナチュラル系の洗剤も、場所によっては十分な効果を発揮します。

  • 重曹水(pH約8):フローリングの皮脂汚れや軽い手垢に
  • アルカリ電解水(pH11程度):除菌・消臭効果もあり、壁の軽い汚れやドアの手垢に最適
  • 注意点:木製家具、革製品、精密機器への使用は避けるか、目立たない場所でテスト

強力すぎず、家庭にある素材との相性が良いため、日常使いにもおすすめです。


安全かつ効率よく掃除するためのコツ

掃除を「続けやすくする」には、時間も手間もかけすぎない工夫が必要です。

リビング掃除に取り入れたいポイントをまとめました。

掃除は「上から下へ」が鉄則

掃除の基本は、ホコリが落ちる流れを想定して上から下へ

  • まずはカーテンレールや棚の上を拭く
  • 次にテーブル、ソファの座面、最後に床を掃除
  • 家電の裏などもこのタイミングで一緒に行うと◎

ホコリの再付着を防ぐためにも、順番を意識しましょう。

家具や素材を傷めないように

リビングにはデリケートな素材も多く、掃除の仕方を間違えると傷みや変色の原因になります。

  • 木製家具:水分NG。中性洗剤を含ませた布で拭き、必ず乾拭きで仕上げる
  • 革製ソファ:水拭きせず、専用のレザークリーナーを使用
  • テレビやオーディオ:電源OFF&乾拭きが基本。スプレーは厳禁

素材のラベルや取扱説明書も確認すると安心です。

時短&継続のコツ

完璧を目指すより、“少しずつ・こまめに”を意識すると続けやすくなります。

  • 「1日1カ所だけ」「気づいたときに拭く」など、ハードルを下げる
  • 除菌シートやアルコールスプレーをリビングに常備
  • お子さんがいる家庭では、使いやすい場所に掃除グッズをセットしておくのも◎

“ついで掃除”を習慣にすることで、負担感がぐっと減ります。


まとめ|やさしく落とす、がリビング掃除の鉄則

リビングは、家族が最もリラックスする場所。だからこそ、見えにくい汚れをこまめに落とし、快適で衛生的な空間を保つことが大切です。

  • 手垢・皮脂汚れ → 中性洗剤でやさしく拭き取り
  • ホコリ → 乾拭き+除電
  • 軽い汚れや除菌 → 重曹・アルカリ電解水も便利

素材を傷めず、軽いうちに汚れを落とす習慣が、キレイを保つ最大のコツ。
次回はシリーズの総まとめとして、汚れ別・場所別・洗剤別の使い分け完全ガイドをお届けします!

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投稿者プロフィール

nobuhiro nagao
nobuhiro nagao
2015年~ 県立広島病院で勤務、主に外来のがん治療を行う患者さまの抗がん剤注射剤の調製、お薬の服薬指導、私生活のサポートを行う。
2019年~ 県立安芸津病院へ転勤 栄養サポートチーム(NST)に所属し栄養管理や整形外科での人工関節手術後のサポートを行う。
2021年~ あすなろ薬局で勤務
2023年~ 臨床栄養医学指導士を取得し、薬に加えて栄養指導も行っている。

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