乾燥肌の原因は?4つのNG行動と自宅でできる対策を紹介

 

「乾燥肌のケアをしているのに乾燥してしまう」
「気づけば肌がカサカサになっていた…」

そんな悩みはありませんか?
スキンケアをしているのに、肌がカサカサになるとショックですよね。

乾燥肌の原因は肌に保てる水分や分泌する皮脂の不足が挙げられます。また、高温のお湯で洗顔をするなど、間違った方法をとることで、普段気をつけて行っているスキンケアが台無しになることがあります。

そこで今回は、乾燥肌の原因と対策を紹介していきます。きちんとした知識をつけて健やかな肌を保ちましょう。

乾燥肌の原因

乾燥肌とは、肌の水分や皮脂が不足して潤いがなくなっている状態をいい、ドライスキンともいわれます。乾燥肌になると入浴後や洗顔後に肌のつっぱりを感じたり、全身がかさついたりします。特に乾燥しやすいのは、脛(すね)や膝、足の裏などで、顔であれば、頬や目、口周りなどもともと皮脂の分泌が少ない部位とされています。

そんな乾燥肌の原因には以下の2つが挙げられます。

  • うるおい不足によるバリア機能の低下
  • ターンオーバーの乱れ

詳しく見ていきましょう。

うるおい不足によるバリア機能の低下

私たちの肌は表皮で覆われていますが、乾燥と密接に関係があるのが一番外側にある角質層です。角質層にはバリア機能という役目があり、バリア機能が正常に働いていると、肌の水分を保ち、蒸散を防ぐとともにアレルゲンなどの侵入や外部刺激から肌を守ります。

その角質層はアミノ酸などの天然保湿因子(NMF)で満たされ、細胞と細胞の間を埋めている脂質部分がセラミドやコレステロール、脂肪酸で満たされています。しかし、これらが減ってしまうと細胞をつなぎとめる力が弱くなってしまい、水分が逃げて行ってしまいます。

つまり、乾燥肌を起こさないためには肌のバリア機能を守ることが重要です。

ターンオーバーの乱れ

ターンオーバーとは肌が一定のサイクルで生まれ変わることです。健康な肌の場合、ターンオーバーは約4週間でおこるといわれています。しかし、生活習慣の乱れ(毎日の睡眠や食事)やストレス、間違ったスキンケアなどが原因でターンオーバーが乱れてしまいます。ターンオーバーが乱れることで、天然保湿因子や細胞間脂質がうまく作られず水分が外に逃げやすい状態、つまり乾燥肌になってしまうのです。

また、一般的には50代になると、ターンオーバーが遅くなるといわれており、加齢も乾燥肌の原因のひとつです。

乾燥肌への4つのNG行動

乾燥肌を防ぐためにどのようなスキンケアをおこなっていますか?
もしかすると、そのやり方は乾燥肌に対してNG行動かもしれません。

ここでは乾燥肌を引き起こしてしまう誤った行動を4つ紹介します。
自分に当てはまらないか確認してみましょう。

刺激の強いスキンケアグッズを使う

刺激の強いスキンケアグッズの使用は、バリア機能の低下した肌によりダメージを与えてしまうためNGです。

スキンケアグッズの選び方のポイントとして、乾燥肌の方はアルコールフリー、エタノールフリー、保存料フリーを選ぶようにしましょう。

また、合成界面活性剤と同様に、肌への刺激が強いとされているのが防腐剤です。「パラベン」や「エデト酸塩」と記載のある化粧品には注意しましょう。

化粧水のパッティングにも注意が必要です。コットン等の使用も繊維が肌に付着する可能性もありますので、手のひらで圧をかけて肌に浸透させるようにしてみてください。

ゴシゴシ洗いや熱湯での洗顔

手のひらや指先でゴシゴシ洗うと強い摩擦によって肌表面のバリア機能が破壊されてしまいます。洗顔料をしっかりと泡立てて、皮膚の上で転がすように優しく洗いましょう。肌表面に長時間洗顔料を肌に置いておくと、付着している皮脂までもが奪われてしまうため、30秒程度で洗い流すようにしましょう。すすぎは30秒~1分程度、擦らず丁寧に洗い流すようにするのがポイントです。

若いころと同じスキンケアをする

年齢に応じたスキンケアを行うことが出来ていないと乾燥の悪化を招いてしまいます。40代の肌では、赤ちゃんの頃に比べて水分量が半分に減ってしまいます。肌内部の水分保持力を高めるためにもコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を補うことの出来るスキンケアを取り入れていくことが重要です。個人差はありますが、一般的には30代で肌が刺激に弱くなり、40代で肌の保水量が落ち、50代では肌のターンオーバーが落ちるといわれています。

乾燥した場所で過ごす

空気の乾燥も乾燥肌の原因のひとつと考えられています。そのため、普段から乾燥した場所で過ごすことが多いと乾燥肌になりやすいです。

特にエアコンを使用する時期は要注意です。エアコンは空気中の水分も一緒に吸収してしまうため、暖房、冷房どちらの使用でも長時間使用することによって、空気が乾燥してしまいます。するとバリア機能の低下を引き起こす原因になります。

自宅でできる乾燥肌対策を5つ紹介

では、乾燥肌にならないように過ごすにはどうしたらいいのでしょうか。自宅で過ごす際にいくつか工夫するだけの今すぐできる対策を5つ紹介していきます。

正しい入浴方法とスキンケア

寒い冬は温度が高めのお湯に浸かりたくなる方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は長風呂は肌にはあまり良くありません。乾燥肌を悪化させないためには、お湯は40℃以下と少しぬるま湯に、20分以内の短時間の入浴にしましょう。40℃以上のお湯に長時間浸かると、水分の蒸発を防いでくれる皮脂膜まで洗い流されてしまいます。乾燥肌が悪化する原因にもなりますので注意しましょう。

温泉の場合も、硫黄泉やアルカリ泉の温泉に入ると、肌表面はツルツルになりますが、表面のピーリング効果ですので、入浴後は念入りに保湿剤を塗りましょう。温泉の場合も同様に長時間浸かるのはなるべく避けたほうがいいでしょう。

十分な睡眠時間の確保

質の高い睡眠をとることによって、成長ホルモンが分泌されます。この成長ホルモンは皮膚の最も外側でおこるターンオーバーを促します。肌の材料となるタンパク質の合成を促したり、日中の疲れや肌ダメージを回復させる役割があるので、トラブルのない美しい肌を作ってくれるとされています。

では、睡眠の質を高める生活習慣を紹介していきます。まず、肌に負担の少ない衣服で就寝することです。締め付けの少ない吸水性、通気性の優れたパジャマで就寝することによって、深い眠りにつくことが出来るでしょう。

バランスの良い食事を摂る

肌も細胞でできているため、エネルギーが足りなくなると水分保持できなくなり、肌の乾燥や肌荒れを引き起こしてしまいます。そして、肌のエネルギー源は食事からの栄養のため、食事にも気をつける必要があります。

どの栄養素もバランスよく取ることが前提ですが、特に肌に関係のある栄養素は、炭水化物、ビタミンA、ビタミンB1、脂質です。

ある研究では肌の水分量と食事に関して

  • 炭水化物エネルギー比率が高い
  • ビタミンB1摂取量が多い
  • 野菜摂取量が多い
  • 脂質エネルギー比率が低い

上記のような場合において肌の水分蒸発量がさがったと報告されています。

引用:日本栄養・食糧学会誌第63巻第6号(2010)

また、ビタミンA摂取量が多いほど角質水分量も相関して増えたとの報告もあるため、ビタミンAの摂取の重要です。

ビタミンAが豊富な食材:レバー、魚、卵、乳製品、ニンジンなどの緑黄色野菜

ただし、ビタミンAは過剰摂取による頭痛や発疹など健康障害のリスクも高まるため注意しましょう。

引用:日本栄養・食糧学会誌第63巻第6号(2010)角質水分量とレチノールの相関

近年炭水化物を抜いたり、食事制限したりする方が増えていますが、肌の健康には良くありません。炭水化物の摂取量が減ると相対的に脂質の比率が増えることとなり、肌の水分を保持する力が低下してしまうため、炭水化物50~60%、タンパク質15~20%、脂質25~30%のバランスを心がけましょう。

エアコン使用時には湿度に注意

冬はエアコンを使用することが多くなってくると思います。部屋の湿度を適度に保つことによって、肌の潤いを保つことができます。湿度を60~65%と少し高めに設定することで、乾燥から肌を守ってくれるとされています。加湿器を置くだけではなく、洗濯物を室内に置いたり、水の入ったコップを置くことによって湿度を上げることができます。

保湿剤や日焼け止めでケア

もっとも外気にさらされる顔は保湿力のある基礎化粧品で保湿ケアをするのがポイントです。ヒアルロン酸、プロテオグリカン、セラミドなどの保湿成分が豊富に配合されたものを選び、潤いを保つことが重要なポイントです。ひじ、ひざ、かかとなどは冬は特に乾燥しやすいので、入浴後にボディクリームなどを使って、ケアを行いましょう。そして、肌の潤いを保ちたいのであれば、1年を通して紫外線対策を徹底してください。肌に直接紫外線を浴びてしまうと、水分をうまく肌内部で保つことが出来なくなります。よって、乾燥肌や肌荒れにつながってしまいます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?乾燥肌の原因と対策を理解しておくと、痒みのトラブルや症状が出る前に予防することができます。また、肌の内側と外側からたっぷり水分を与えても、肌そのものの状態が悪ければ、潤いをキープすることはできません。肌の健康状態を保つにはターンオーバーの周期が乱れないように規則正しい生活を心がけ、睡眠不足とストレスを解消することが重要です。

また、栄養摂取によって健やかな肌づくりを促すことも欠かせません。炭水化物50~60%、タンパク質15~20%、脂質25~30%のバランスを心がけて食事から健やかな肌づくりをしていきましょう。

参考資料

https://www.kenei-pharm.com/healmild/column/dry_skin/column133/ 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/63/6/63_6_263/_pdf 

投稿者プロフィール

nobuhiro nagao
nobuhiro nagao
2015年~ 県立広島病院で勤務、主に外来のがん治療を行う患者さまの抗がん剤注射剤の調製、お薬の服薬指導、私生活のサポートを行う。
2019年~ 県立安芸津病院へ転勤 栄養サポートチーム(NST)に所属し栄養管理や整形外科での人工関節手術後のサポートを行う。
2021年~ あすなろ薬局で勤務
2023年~ 臨床栄養医学指導士を取得し、薬に加えて栄養指導も行っている。

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