薬の一包化とは?基礎知識や呉市広のあすなろ薬局の取り組みを紹介

「薬の量が増えて管理が難しくなってきた」「どれを飲んだかわからなくなった」など薬に関する悩みはありませんか?本人だけでなく、ご家族の方や介護の方でもこのような悩みがあるかもしれません。

その悩みはお薬を一包化することで解決するかもしれません。

そこで今回は薬の一包化について紹介します。また、呉市広のあすなろ薬局の一包化に関する取り組みも紹介しますのでぜひご覧ください。

薬の一包化とは

一包化とは、服用タイミングが同じお薬をまとめて1袋にすることです。

例えば、朝に3種類、夕に2種類飲んでいる場合、朝1袋、夕1袋にまとめたものを受け取り、自宅で服用タイミングに1袋飲めばよい状態で管理できます。

袋には「朝食後」「夕食後」や「薬の名前」「患者様の名前」など入れることが可能です。

一包化のメリットデメリット

一包化することによるメリットとデメリットを紹介します。

メリット

一包化することで『薬の飲み間違い』や『薬の紛失』を防ぐことができます。複数の薬を服用していると、「あれ?どの薬まで飲んだっけ?」と忘れてしまう場合があります。その結果、同じ薬を重複して服用したり、飲んだと思って服用しない薬が出たりしてしまいます。服用タイミングが同じ薬で余る錠数が異なる方には一包化のメリットを感じていただけるはずです。

また、PTPシートから薬を取り出す際に、飛んでなくなる場合もあります。指先での作業が難しい方にとっても一包化にすることでストレスなく服用でき、メリットを感じるでしょう。

デメリット

一包化することで自分で調節することが難しくなります。ただし、そのような薬に関しては事前に一包化すべきか相談しますのでご安心ください。

また、1つの袋に入れることで薬の名前がわかりにくくなることや、調剤に多少の時間を要すること、条件に応じて料金が発生することがあげられます。

一包化の料金

一包化の料金は、処方箋の日数と患者様の保険によって異なります。

【外来服薬支援料2】(いわゆる一包化加算)
・42日分以下の場合 投与日数が7日ごとに34点(340円) 
・43日分以上の場合 240点(2400円)
例)28日分の処方(自己負担1割の方)
340円×4週間×1割負担 140円の自己負担
※目安としてお考え下さい

一包化にする方法

一包化するためには医師の指示が必要であり、医師の指示のもと薬剤師が調剤します。

そのため、病院で医師に相談するか、薬局でご相談ください。薬局でご相談される場合は、薬局から医師に一包化の了承を得ることで一包化が可能になります。

私たちも一包化が必要かどうか日頃のお話の中で服用状況を評価し、ご提案することがあります。

呉市広のあすなろ薬局の取り組み

呉市広のあすなろ薬局が行っている一包化に関する取り組みを紹介します。

希望の印字レイアウトに変更可能

一包化する際に、1つにまとめた袋に印字を入れます。基本は「朝食後」「夕食後」ですが、希望によっては患者様のお名前や一包化されている薬の名前、日付を入れることが可能です。

朝→昼→夕と反復にする
日付を入れる
患者様や薬の名前を入れる

ほかにも、医療機関の名前やコメントなども追加することができるので、「こんなレイアウトが良い」という希望があればお申し付けください。

自己調節したい薬は分ける

すべての薬を一包化すると、自分で薬を調節することが難しくなります。

そこで、一包化する際には、必ず事前にまとめてほしい薬と調節したい薬を聴取して一包化を行っています。自己調節したい薬は分けてお渡しすることで管理がしやすくなります。

複数の医療機関の薬を1つにまとめる

複数の医療機関でお薬をもらっている場合、薬の袋がたくさん出来てしまい、自宅での管理が難しい場合があります。

例えば、A病院で朝4、夕2種類、B医院で朝3、昼2、夕3種類薬をもらっている場合、まとめて朝7、昼2、夕5を1袋にすることが可能です。

自宅での管理も楽になるかもしれませんので希望の方はご相談ください。

お薬カレンダーやお薬BOXの販売

一包化しても飲み忘れがある場合、お薬カレンダーやお薬BOXの利用を勧めています。

お試し用の簡易的なお薬カレンダー(1週間用130円(税込))もご準備しています。

まずは相談してください

本人または、ご家族の方、介護の方で「薬が多くて管理しきれない」「いつ飲んだか飲んでないかわかりにくい」などの悩みがある方は、ぜひ相談してください。

一包化をはじめ、他の手段をご提案できるかもしれません。

ご相談は電話もしくはLINEで可能です。いつでもお気軽にお問い合わせください。

 

参考資料

令和4年度調剤報酬改定の概要 (調剤)
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000911825.pdf 

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投稿者プロフィール

nobuhiro nagao
nobuhiro nagao
2015年~ 県立広島病院で勤務、主に外来のがん治療を行う患者さまの抗がん剤注射剤の調製、お薬の服薬指導、私生活のサポートを行う。
2019年~ 県立安芸津病院へ転勤 栄養サポートチーム(NST)に所属し栄養管理や整形外科での人工関節手術後のサポートを行う。
2021年~ あすなろ薬局で勤務
2023年~ 臨床栄養医学指導士を取得し、薬に加えて栄養指導も行っている。